借金の返済が難しくなったとき、冷静さを欠いた行動や無知からさらに状況を悪化させてしまうケースがあります。「返済しなければ」と焦るあまり、逆効果となる選択をしてしまうことも少なくありません。
本記事では、借金を返済できない状況で避けるべき行動やその理由、適切な対応方法について解説します。正しい選択をすることで、借金問題を解決し、生活を立て直す第一歩を踏み出しましょう。
借金を返済できない時にやってはいけないこと
1. 新たな借金をする
既存の借金を返済するために新たな借金をする「自転車操業」は、問題をさらに深刻化させる危険な行為です。利息が膨らむ一方で元金が減らない状況に陥り、最終的には返済不能に陥るケースが多いです。
なぜ危険なのか？
金利が高い借金を繰り返すと返済額が増加。
借入限度額に達するとさらに高金利の貸金業者に頼る可能性が高まる。
問題解決を先送りにするだけで、根本的な解決にはなりません。
2. 闇金や違法業者から借りる
通常の金融機関や消費者金融で借りられない場合、闇金に手を出してしまうケースがあります。しかし、闇金は法外な金利や違法な取り立てで借金問題をさらに悪化させます。
なぜ危険なのか？
違法な高金利（トイチ＝10日で1割の利息など）が適用される。
暴力的な取り立てや嫌がらせを受けるリスクがある。
法的保護を受けるために多大な労力が必要になる。
3. 家族や友人に隠し続ける
借金問題を家族や友人に相談せずに隠し続けることで、自分一人で対処しようとする方もいます。しかし、周囲の助けを得ないまま問題を抱え込むと、さらに状況が悪化する可能性があります。
なぜ危険なのか？
借金が増え続け、最終的には生活破綻に陥る可能性がある。
家族に迷惑をかけるリスクが高まる（突然の差し押さえなど）。
精神的負担が増大し、正常な判断ができなくなる。
4. 返済を放置する
返済が難しいからといって債権者からの通知を無視したり、返済を完全に放置するのも非常に危険です。放置することで債権者は法的手続きに踏み切る可能性が高まり、財産差し押さえや給与差し押さえに発展することがあります。
なぜ危険なのか？
遅延損害金が発生し、借金額が増える。
債権者が法的措置を取り、差し押さえが行われる可能性がある。
信用情報が悪化し、ブラックリストに登録される。
5. 保証人に全てを押し付ける
保証人がいる場合、借金の返済を保証人に押し付けることで一時的に問題を先延ばしすることができます。しかし、保証人が支払いを肩代わりしたとしても、自分の債務が消えるわけではありません。
なぜ危険なのか？
保証人との信頼関係が壊れる。
保証人が支払いを肩代わりした場合、保証人からさらに請求される。
道義的な問題として、対人関係に大きな影響を及ぼす。
6. 財産隠しや不正行為を行う
財産を隠したり、債務整理の過程で虚偽の申告を行うのは絶対に避けるべき行為です。これらの行為は法的に罰せられる可能性があり、自己破産などの手続きが無効になることもあります。
なぜ危険なのか？
法的な問題に発展し、刑事責任を問われる可能性がある。
債務整理や自己破産の手続きが失敗する。
信用を完全に失う。
借金を返済できない時に取るべき適切な行動
1. 専門家に相談する
弁護士や司法書士などの専門家に相談することで、状況に応じた解決策を提案してもらえます。債務整理や法的手続きを通じて借金を減額・整理することが可能です。
主な方法：
任意整理
個人再生
自己破産
2. 家族や信頼できる友人に相談する
借金問題を隠さず、家族や信頼できる友人に相談することで、精神的なサポートを得られるだけでなく、具体的な解決策を一緒に模索することができます。
3. 債権者と交渉する
直接債権者に連絡し、返済計画の見直しや分割払いの相談をするのも有効な手段です。正直に状況を説明することで、柔軟な対応をしてもらえる場合があります。
4. 家計を見直し、無駄な出費を削減する
家計簿を作成し、収入と支出を把握した上で無駄な出費を削減しましょう。固定費（家賃、保険料、通信費など）の見直しが特に効果的です。
5. 収入を増やす努力をする
副業やアルバイトを利用して収入を増やすことで、返済に充てられる資金を増やします。スキルを活かした仕事を探すことで収入を効率的に増やせる場合もあります。
借金を返済できない時に役立つ相談窓口
日本司法支援センター（法テラス）
無料相談や弁護士の紹介を受けられる。
消費生活センター
借金問題に関する初期相談が可能。
多重債務相談窓口
金融庁が設置する相談窓口。
まとめ
借金を返済できない場合、冷静に対応しないと問題がさらに悪化します。新たな借金を重ねる、闇金に手を出す、返済を放置する、といった行動は避けるべきです。その代わりに、弁護士や家族など信頼できる人に相談し、適切な対策を講じることが重要です。
借金問題は一人で抱え込まず、専門家や公的機関の力を借りて解決を目指しましょう。正しい対応をすることで、必ず再出発の道が開けます。